みなさんこんにちは!
日本でもここ数年のうちに人気急上昇してきた「タイカレー」を食べたことはありますか?
ハーブとスパイス、そしてココナッツミルクを混ぜた、南国を思わせるような香りと味。辛さの中にもコクと甘みがあり、一度食べたら癖になる人も多いとか。
私もその中の一人でして、かなり昔の学生時代に初めて食べたグリーンカレーに見事にはまってしまい、その後タイに移住する前も、移住した後も、事あるごとにタイカレーを食べ続けてきました。
今回の記事では、そんなタイカレー好きのバンコク在住者である私が、まだ食べたことない方でも分かりやすいように、タイカレーの種類や具材、辛さなどをまとめ、現地飲食店ででオーダーしやすいように写真とタイ語表記も付けてご紹介したいと思います!
現地で食べたい!タイカレー7選
まず、「カレー」に対する日本とタイの違いとして、タイではカレーなどの液体(スープ)状になっている食べ物全般のことを「แกง(ゲーン)」と言います。
また、日本のカレーライスのように白いご飯と一緒に食べるカレーっぽい食べ物の中には、ゲーン以外のものもたくさんあるため、とても1回では語りきれません。
なので、今回は日本式に合わせ、よりカレーに近いものを選んで紹介していきましょう。
グリーンカレー
言わずと知れた、タイカレーの王者ともいうべき存在。タイカレーと聞いたら、まず「グリーンカレー」を思い浮かべる方も多いはず!
数多くのハーブと、世界一辛いとも評される青唐辛子のプリック・キー・ヌー、パクチー、バジル、レモングラス、生姜などを混ぜ合わせて作られたスープに、丸ナス(タイナス)、鶏肉、赤ピーマンなどの具材を入れて煮込んだもの。
緑色だからと言って油断して口に入れると、確実に痛い目に遭います!
一口食べたら数秒後には汗が止まらなくなりますが、ただ辛いだけでなく、香草とココナッツミルクのハーモニーや、刃のように鋭い辛さの中にあるコクが舌を楽しませてくれるでしょう。
プーケットなどタイ南部地方では朝〜昼に食べる現地人も多く、街の庶民食堂でも鍋に入った作り置きのグリーンカレーを頻繁に見かけます。バンコクなど、その他の地域の人にとってはそこまで一般的な料理と言えませんが、きちんとしたレストランや観光客向けのお店に行けばだいたい提供しています。
庶民的な店や、観光地にある店だと、グリーンカレーペーストを使用している場合がほとんど。一方、腕自慢の高級店や伝統レシピを守っている一軒家レストランなどでは、それぞれ熟練シェフが研究してきた成果のベストである分量で、ペーストを1から作るため、店によってはっきりと個性が出てくるので奥が深い料理でもありますね。
変わり種として、グリーンカレーを使った麺料理や、グリーンカレーチャーハンを出すお店もあるので、見つけたらチャレンジしてみては?
タイ語 | แกงเขียวหวาน(ゲーン・キヤオ・ワーン) |
辛 さ | ★★★★ |
イエローカレー
タイカレーの中では比較的大人しい存在で、辛さよりもまろやかさを表に出したカレーです。
黄色はターメリック由来、その他各種ハーブとスパイス、パクチー、生姜、などを加えたスープに、ココナッツミルク、ココナッツクリームを混ぜて作ります。
具材は鶏肉がメインですが、地域によってはじゃがいもや玉ねぎを煮込むところもあります。
タイ語で「แกงกะหรี่(ゲーンカリー)」と言いますが、最近では若者を中心に「ゲーンカリー=日本式のカレー」という意味で通っているので、英語で「イエローカリー」と言った方が分かりやすい場合もあります。
また、黄色いカレーは種類が多いため、写真だけで判別するのは結構大変でして、見た目が似ている黄色の「ゲーンソム」など日本人があまり得意ではない風味の料理もあるため注意が必要です。
タイ語 | แกงกะหรี่(ゲーン・カリー) |
辛 さ | ★★ |
レッドカレー
その名の通り、赤く染まる真紅のカレーです。見た目通り刺激的な辛さが特徴で、各種ハーブやスパイスに加え唐辛子「プリック・キー・ヌー」の赤バージョンをすり潰して煮込んでいます。脳天を突き抜けるような刺激と、濃厚なコクが癖になる一品。
具材は鶏肉が一般的ですが、お店によってはダックだったり、豚肉だったりと様々なバリエーションがあります。
飛行機の機内食や、ホテルのブッフェ、空港ラウンジの軽食コーナーでもよく見かけるので、チャレンジする機会は多そう。
レシピによっては黄色がかっていることもあり、辛さを抑えた場合はこの傾向にあります。
隠し味でセロリの葉っぱを煮込むとさらに美味しくなります。
タイ語 | แกงเผ็ด(ゲーン・ペッ) |
辛 さ | ★★★★★ |
マッサマンカレー
世界一美味しいカレーとも評され、日本でも一躍有名になったこちら「マッサマンカレー」は、はるか中東を起源に持つイスラム系のカレーです。諸説はありますが、16世紀ごろにアラブ系の商人がスパイスとともにタイ南部に持ち込んで伝えたという説が有力。
シナモンや八角、ナツメグなどのドライスパイスをふんだんに使い、骨つきチキンのもも肉とじゃがいも、玉ねぎなどを入れて煮込み、仕上げにココナッツミルクと砂糖で味を整えます。
忘れてはならないのが、軽く煎って砕いたピーナッツ!香ばしい香りとコリっと硬めの食感が、食べる者を飽きさせません。
基本的に唐辛子や生のハーブ類はほとんど入れないので、他のタイカレーとは違って甘口。なので子供でも安心して食べられますね。
タイカレーの中では、比較的日本のカレーに近いかもしれません。
タイ語 | แกงมัสมั่น(ゲーン・マッサマン) |
辛 さ | ★ |
プーパッポンカリー
伝統的なタイカレーが多い中で、異色の存在「プーパッポンカリー」は、タイ式中華の1つとも数えられる料理です。
プー(ปู)とはタイ語でカニのこと、パッ(ผัด)は炒めること、つまり「カニのカレー粉炒め」という意味になります。日本人の間でも定番の「ソンブーンシーフード」や、他のシーフードレストランにおいてもおなじみのメニューで、白いご飯と一緒に食べるとほっぺたが落ちるくらい美味しいのです。
似たような料理を、シンガポールやマレーシアの中華系住民がよく食べているのと、マカオなどでも見かけるので、華人が持ち込んで東南アジアのスパイスと融合した料理という説が濃厚ですね。
殻付きのカニは、甘みがあってジューシーで美味しいのですが、非常に食べにくいため、手を汚したくないタイ人は「ヌア・プー(蟹肉)」と付け加えてオーダーしています。その分、ジューシーさが分散されてしまったり、事前に剥き身にするため鮮度が落ちるので、どちらがいいかはお好み次第ですね!
カレー粉と卵と缶詰のカニがあれば簡単に再現できるので、日本に帰ってから味が忘れられない方は自宅のフライパンでチャレンジしてみては・・?
タイ語 | ปูผัดผงกะหรี่(プー・パッ・ポンカリー) |
辛 さ | ★★ |
パネーン
レッドカレーとよく似ているのですが、レッドカレーは水分が多くゲーン(スープ)に分類されるのに対し、こちらパネーンはほぼ水分なしのペースト状。日本人が思い浮かべるドロッとしたカレーの姿に近いかと思います。
具材は鶏肉だったり、豚肉だったりとお店によって様々なバリエーションがありますが、豚肉のパネーンが一般的です。
しっかりと煮込んだベースには各種ハーブやスパイスが溶け込んでおり、その奥の方ではココナッツミルクのまろやかさとコクが静かに主張しています。
他のタイカレーと比較して、そこまで辛くないお店が多いので、日本人としてはレッドカレーよりもこちらの方が食べやすいかもしれません。
また、タイのセブンイレブンでは弁当として売られており、50B(約180円)程度と格安で買えるので、ちょっと味見してみたい方や、夜中に小腹が空いた時なんかにぴったりですね。
タイ語 | พะแนง(パネーン) |
辛 さ | ★★★ |
ゲーン・ハンレー
「ゲーン・ハンレー(แกงฮังเล)」はタイカレーとしては珍しく、チェンマイやチェンライなどが属する北タイ地方でよく食べられている名物料理です。
北タイは、古くからミャンマー(旧ビルマ)、そして陸路を通してさらに西に位置するバングラディシュ・インド方面との交易が盛んでした。
その時にスパイスと一緒に伝わった料理のいくつかが、そのまま現地の食卓に溶け込んでいるそうです。
こちら「ゲーン・ハンレー」は、いくつかのスパイスとハーブ、生姜、豚バラのブロックを煮込んだ料理で、甘みと生姜の香りが特徴的。
これが白いご飯や、もち米によく合うのです!
お店にもよりますが、辛さはそこまで感じませんし、ハーブの香りが奥に隠れているので、タイっぽい味が苦手な方でも食べやすいかと思います。
むしろ、日本で「豚の角煮カレー」として出されても違和感ないくらい・・。
北タイエリアでしたら、庶民的な食堂・高級店問わずだいたい置いてあるのですが、バンコクやその他の地域では探すのに苦労します。バンコクで手っ取り早く食べてみたい方は、デパートやショッピングモール内のフードコートに北タイブースがあるので、そこで探してみてくださいね。
タイ語 | แกงฮังเล(ゲーン・ハンレー) |
辛 さ | ★★ |
番外編:カオソーイ
北タイの名物料理に「カオソーイ」というカレー味の麺料理があります。今回は主にカレーの紹介なので、番外編としてちょっとだけ紹介しますね。
平打ちのたまご麺と、スパイスをふんだんに煮込んだカレー味のスープがよく絡み合います。具材は骨つきチキンがメイン。お店によってはポーク入りや、ビーフ入りなどを出しているところも。
ココナッツミルクで仕上げたまろやかな味わいが特徴的で、そこまで辛くありません。また、豚骨仕込みのスープだったり、魚介出汁や沢蟹出汁を使っているお店など、店によってレシピのバリエーションも豊富!
庶民的な食堂なら一杯40B前後〜、おしゃれなレストランでも100B程度とお安いので、北タイに行ったらお気に入りのカオソイ屋さんを探してみるのも楽しいかも・・!
タイ語 | ข้าวซอย(カオソーイ) |
辛 さ | ★★ |
豆知識
同じカオソーイでも地域性があり、北タイ西部と北タイ東部では全く異なる味になります。
これは、料理がミャンマー・インド方面から伝わった西部と、中国からラオスを通って伝わった東部で料理のルーツが異なり、それぞれ使用するスパイスや調味料が異なるためです。
ちなみに、北タイ東部では「担々麺」のような味の肉味噌入りカオソーイが食べられており、そのまま北上するとラオス北部〜中国雲南省南部にかけて同じものが食されています。さらに進むと、雲南省昆明付近では「米線」と呼ばれる名物料理に。
バンコクのホイクワン付近にある雲南料理食堂には、この担々麺風カオソーイと雲南米線の両方を提供しているお店もあります。
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いかがでしたか?
今回は、タイ料理の王道とも言える「タイカレー」について、それぞれの種類と味、辛さなどをお伝えしました。
まだ食べたことのない方や、タイに渡航したらチャレンジしてみたい方の参考になれば幸いです。